ドル円 米CPIの発表注視、前後の市場は荒れ模様か(10/10夕)
〇本日のドル円、149円半ばまで値を上げるも基本レンジ取引
〇149円台では上値重いが、150円を超えると150.75-80が次のターゲットに
〇本日は米CPI、新規失業保険申請件数、要人発言に注目
〇ドル高・円安方向、本日東京高値に当たる149円半ばの攻防にまず注目
〇ドル安・円高方向、本149円が最初のサポートか
〇ドル円予想レンジ:148.30-149.80
欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米CPIが想定通りなら買い縮小
昨日のドル/円は終値ベースで横ばい。東京時間には米大統領選のテレビ討論会や中川日銀審議委員の発言などを受けてドル安・円高が進むと、一時年初来安値となる140.70円前後まで下落した。NY時間に発表された米8月消費者物価指数(CPI)は、ほぼ予想通りだったとはいえ、米国のインフレ高止まりを示唆する結果だった。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での50bp(0.50%ポイント)利下げ期待が後退したことで、ドル/円は142円台半ばまで買い戻された。
本日は前週分の米新規失業保険申請件数や米8月生産者物価指数(PPI)が発表されるが、米8月雇用統計と同CPIをこなして、市場は9月FOMCでの利下げ幅を25bpでほぼ織り込んでしまったため、リスクは上方向とみている。また、一時的とはいえ目先の下値目途に到達してしまったことで、底堅さを増しそうだ。東京時間にはタカ派とされる田村日銀審議委員の講演が予定されており円買い圧力がかかることも考えられるが、ドル/円が年初来安値を更新するほどのインパクトはないだろう。
昨日のドル/円は一時152円台へ上伸。東京市場では151円台を割り込む場面もあったが海外市場で反発した。米長期金利の上昇を背景にドル買いが優勢となった上に、日銀が来週の利上げを見送るとの観測で円が売られたことから152.10円前後まで上昇。11月27日以来の高値を付けた。本日は米11月消費者物価指数(CPI)に市場の関心が集まっている。米金利先物は、来週17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25bp(0.25%ポイント)の利下げが行われる可能性を85%前後織り込んだ水準で推移。つまり市場は、利下げの可能性が高いと見ているものの、利下げを確信するには至っていない状況だ。したがって、本日の米11月CPIがFOMCの利下げを見極める上で最後の手掛かりとして注目されている。市場予想は前月比+0.3%、前年比+2.7%となっており、10月の+0.2%、+2.6%から小幅に伸びが加速する見通しだ。食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比+3.3%と10月から横ばいの予想となっている。高止まりが続いているコアCPIが予想を下回れば市場の利下げ観測が確信に変わり、ドルは下落しそうだ。一方で、コアCPIが予想を上回る伸びとなれば利下げ観測が後退することになるだろう。この場合、ドルは上昇する公算が大きいが、米国株が大きく下落するなど市場が混乱するようなら円の上昇につながることも考えられる。
【為替】米ドル/円「CPIショック」の理由 | 吉田恒の為替デイリー
ドル/円相場は、先でも指摘したように本日東京で一時149円半ばを示現し、直近の戻り高値を更新。しかし、夕方には逆に149円割れを意識した値動きとなっている。先日の三村財務官発言「為替市場の動向は緊張感持って注視」もあり、やはり150円がある種のシーリングと捉えられているようで、接近するもなかなか超えられない状況だ。ドルはこのあとも頭の重い展開が続く公算が大きい。
引き続き市場は日米金融政策に注目。なかでも米の政策が注視されているものの、なかなか方向性が定まらない。発表される米指標や発言をめぐり一喜一憂の繰り返しだ。そうしたなか、本日発表される米消費者物価指数(CPI)がおおいに注目されており、内容次第では本日も発表前後の市場は大荒れか。ちなみに予想値は、前月比プラス0.1%で前年比はプラス2.3%。またコア指数は同様に前月比がプラス0.2%、前年比はプラス3.2%程度が予想されている。
7月11日に注目されていた6月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る結果となったことで、米ドル/円相場は指標発表前の161.50円近辺から157.50円割れまで4円50銭ほどの急落となりました。ここ1ヶ月弱かけて上昇してきた値幅をわずか30分程度で帳消しにする大きな値幅だったため、市場では為替介入が入った可能性を指摘する声もありました。一部メディアが政府関係者の話として為替介入を実施したと報じています。
FX週間予想:米CPIのインパクトは?|ドル円上昇狙いで ..
【ポイント】
・CPIで市場の米金融政策見通しが変化するか
・米ドル/円が上昇基調を強める場合、本邦当局は介入するか
(欧米市場レビュー)
14日、欧米時間の外為市場では、対円を除いて米ドルが軟調に推移。一時、ユーロ/米ドルは1.08202ドル、英ポンド/米ドルは1.25874ドルへと上昇し、米ドル/カナダドルは1.36325カナダドルへと下落しました。米国の4月PPI(生産者物価指数)の結果を受けて長期金利(10年物国債利回り)が低下したことが、米ドルの重石となりました。
※です。
円も軟調。一時、ユーロ/円は169.299円、豪ドル/円は103.648円、NZドル/円は94.498円へと上昇し、いずれも4月29日以来の高値をつけました。日銀と他の主要中銀との政策金利の差が大きいことや、イエレン米財務長官が為替介入に慎重な姿勢を示した(※)ことが、引き続き円安圧力になったと考えられます。
(※)イエレン長官は13日に「極端なボラティリティを抑える以外の目的で為替レートに手を加えないことでG7は合意している」と発言。また、「過度な変動があれば各国は介入することは可能だが、より根本的な政策の変化を伴わなければ必ずしも(介入が)機能するとは限らない」、「介入の実施は“極めてまれ”であるべきだ」などと述べました。
(本日の相場見通し)
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを行うとの見方が有力です(6月と7月のFOMCについては、政策金利の据え置きを予想)。
米国の4月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます。物価の動向は中銀の金融政策に大きな影響を与えるため要注目です。
CPIの市場予想は、総合指数が前年比3.4%、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数が同3.6%です。市場予想を上回る結果になれば、FRBの利下げ観測が後退するとともに、米ドルが堅調に推移しそうです。米ドル/円や米ドル/カナダドルには上昇圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルには下落圧力が加わると考えられます。
※ユーロ/米ドルのテクニカル分析は、をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。
本邦当局の対応
本日はまた、ボウマンFRB理事やカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁などの発言機会があります。FRBの金融政策の先行きについて新たな手掛かりを提供されれば、材料になる可能性があります。
FX取引において、消費者物価指数は世界各国で発表される注目度の高いインフレ指標です。季節性要因を受ける生鮮食品を除いた「コアCPI」は最も重要視されます。為替市場において、国内の消費者物価指数発表時は値動きが乏しい傾向にありますが、諸外国、特にアメリカやユーロ圏の消費者物価指数発表時は米ドルやユーロの大きな値動きにつながることもしばしばあります。これはが政策運営の中で「物価目標」を設定しており、その判断材料として用いられるからです。物価上昇に過熱感が出てくると、市場で中央銀行による利上げ期待が高まることで通貨高が進行しやすく、物価が下落する局面では景気下支えを目的とした中央銀行による利下げ期待が高まることで通貨安が進行しやすくなります。消費者物価指数発表時は事前予想値と結果の乖離が大きければ当該国の通貨が大きく変動する傾向があります。また、消費者物価指数の上昇率や「前月比」、「前年同月比」でどのように推移・変化しているのかに注目すると、中長期的な為替市場の動きを予想するのに役立つでしょう。
【CPIってなに?】消費者物価指数とは?なぜドル円に影響するの?【エミン・ユルマズのゆるっと経済用語】