ロシア通貨ルーブルが急落 米制裁が影響か、侵攻直後以来の水準に
欧米の制裁強化で、ルーブルの対ドル相場は侵攻前に比べ、約4割下落している。ロシア中銀は2月末、通貨安によるインフレ加速を抑えるため緊急利上げに踏み切ったが、その後もルーブル安は続いている。
ロシア・ルーブル下落、侵攻直後来の安値 一時1ドル110ルーブル超
ロシア中央銀行は9日、今年9月までの半年間、ドル建て銀行口座からの引き出し額を1万ドル(約115万円)までに制限し、それ以上はロシアの通貨ルーブルに限ると発表した。ウクライナ侵攻によって米欧の厳しい経済制裁を受けたプーチン政権は、外貨の流出阻止に躍起となっている。
このため、プーチン大統領は今月2日、現金1万ドル以上を外国に送金したり、持ち出したりすることを禁じる大統領令に署名した。ロシア中銀は6日、外国への送金額の上限を1月あたり5000ドルに制限した。
ロシアルーブル/円(RUB/JPY) 日足 FX為替レート・チャート
ロシア中央銀行は27日の夕方、年末まで外貨を買い取らないなどの対応策を打ち出した。これを受けて一時はルーブルが上昇したものの、効果は長続きしなかった。
ルーブルの変動が激しいロシアでは、資産を守るため5人に1人がドル建て預金をしているとされ市民生活への影響も大きそうだ。
ロシア・ルーブル/USドルの為替レートの推移(2021年1月~2024年11月)
ロシア通貨ルーブルの下落に歯止めがかからない。同国の銀行に対する米国の新たな制裁で、外国通貨がロシアに直接流入する最後の経路の幾つかが閉ざされようとしている。
ロシアの経済紙コメルサントなどによると、26日に1ドル=105ルーブル前後だったが、27日午前に一時114ルーブル台まで下落した。この日はユーロやに対しても大きく下げたという。
ロシアのルーブルが昨年3月以来の安値 1ドル=100ルーブル突破
米国は21日、国際金融システムにアクセスを持つロシアの50行前後にを科した。これ以降、ルーブルはドルに対して約8%下落。26日に1ドル=105ルーブルを割り込んだのに続き、27日は108ルーブル台を付け、下げが加速している。
中銀のデータによると、ルーブルは年初来でドルに対し19%余り下落。中国の人民元に対しても約18%値下がりした。
ロシアの通貨ルーブルが急落 ウクライナ情勢緊迫化や制裁が影響か
27日の外国為替市場でロシアの通貨ルーブルが対ドルで下落し、1ドル=110ルーブルを超えた。ロシアのウクライナ侵攻が始まった2022年2月の翌3月中旬以来のドル高ルーブル安水準となった。対ユーロでも1ユーロ=115ルーブル台の安値となった。ロシア通信などが報じた。