円高、円安がわかる!為替相場のしくみと影響 | G.金融経済を学ぶ
2024年6月に実施された連邦公開市場委員会(FOMC)にて、FRBは7会合連続で政策金利の据え置きを決定しました。声明文やパウエルFRB議長のスタンスをみると、インフレ目標達成に向けて緩やかな進捗があることは認めつつも、政策金利は高水準を維持して、引き締め的な金融環境を続けていく姿勢を崩していません。
最大の焦点とされたドットチャート(FOMCメンバーによる政策金利の見通し)では、19名のメンバーの内、4名が年内据え置き、7名が1回の利下げ、8名が2回の利下げを予想し、2024年末の政策金利予想中央値は5.125%となっています。同年3月時点と比較すると、年内利下げ回数の予想は3回から1回まで後ずれしている状況です。そのため、米国の政策見通しは今後の経済指標(データ)次第ではありますが、FRBによる引き締め的な金融政策が維持される公算が高い点を踏まえると、ドル需要は引き続き高く、対円でもドル高圧力は根強いと考えられるでしょう。
➢ 円は日米金融政策の方向差から 7-9 月期に強含む場面がみられるも、総じて弱かった
2024年後半にかけての米ドル/円は、日米の金融政策や米国の大統領選などの思惑に絡んだ相場が予想されます。引き続きボラティリティが高い局面は続きそうなため、活発な値動きを味方につけられれば、トレードチャンスは多いと言えそうです。
特に材料となりそうなのが、11月に予定されている米大統領選でしょう。現時点では民主党候補で現職のバイデン大統領と、共和党候補のトランプ前大統領の一騎打ちが見通されています。そんな中、トランプ氏が大統領に再選される、いわゆる「もしトラ」が実現した場合、トランプ氏の政策は場当たり的で読めない部分も多いため、為替相場へは想定外の波乱を起こすかもしれません。
考えられるリスクをいくつか検討してみると、一つはインフレ加速リスクです。米国ファーストの理念から景気刺激的な政策をとれば、インフレ再燃で金利上昇圧力がかかり、結果ドル高方面の動きを強めるシナリオは想定されるでしょう。また、政治リスクにも注意が必要です。緊迫化した中東の地政学リスクに対して、どのような舵取りをするのかは重要で、仮にウクライナやガザの紛争から手を引くことを示唆すれば、世界情勢に混乱を巻き起こし、金融市場へのショックも免れないでしょう。
2023年4月に学者出身ながらも植田氏が新たな日本銀行の総裁に就任しました。就任当初は前任の黒田氏から引き継いだ大規模緩和を維持し、政策正常化には慎重な姿勢を示していました。しかし2024年3月、2016年から長期間にわたって続いたマイナス金利政策の解除や、イールドカープ・コントロール(YCC)の撤廃に遂に踏み切りました。同年6月には国債の買い入れを減額する方針を示すなど、植田新体制での日銀は正常化への道筋を歩み始めており、今後は追加利上げを含む金融引き締め政策の行方・温度感を探っていくことになります。
ただ、2024年末までの市場における日銀利上げ見通しをみると、現時点で1回(+0.25%)程度が見込まれており、仮に複数回の利上げがあったとしても、依然として日米金利差は健在です。したがって、利上げのインパクトによる局所的な円高は想定されるものの、引き続き金利差に着目した「円キャリー」トレードを支えに、結局はドル高・円安方向へ方向感は変わらないとみておきたいです。
米ドル/円(USDJPY)のチャート、相場の状況と今後の見通し
労働省労働統計局(BLS)が毎月発表する雇用指標で重要度が高いです。特に非農業部門雇用者数(Nonfarm Payrolls、NFP)と失業率、平均時給が注目されます。FRBの政策の参考指標となるため、将来への期待感からドル相場に大きな影響を与えます。事前予想と発表数値が大きく乖離することがあり、この性質から発表直後は値動きが大きく動く傾向があります。
商務省国勢調査局(USCB)が毎月発表する消費関連の指標です。様々な形態の小売店売上高をサンプル調査し、推計したものになります。米国は個人消費がGDPの約7割を占めていることから、個人消費の動向を把握することが、米国の経済を予測する上で非常に重要です。
米ドル対円相場(仲値) 一覧表 (2008年) | 七十七銀行
近年の米国経済はコロナショックからの回復軌道の中、ウクライナ情勢緊迫化による資源・エネルギー価格高騰が重なり、急速な物価高圧力への対応を迫られました。金融政策を運営するFRBはインフレ抑制を最優先事項に掲げ、2022年3月から異例のスピードかつ大幅な利上げを実施し、2023年7月には5.50%※まで上昇、現在まで同水準を据え置いています。
インフレ率を示す直近2024年5月の消費者物価指数(CPI)は前年比で+3.3%、食料品やエネルギーを除いたコア指数は+3.4%で、いずれもピークアウトし落ち着きを取り戻していますが、依然としてFRBのインフレ目標である2%には遠い状況です。パウエルFRB議長も、同年6月のFOMCにおいて「(インフレ目標達成には、)良好なデータをさらに確認する必要がある」と引き続き慎重な姿勢を示しているほか、米国経済指標も、景気・物価・雇用といった全般で底堅さをみせている状況です。これらを背景に、2024年3月時点で、2024年中合計3回となっていた利下げ予想は、6月のFOMC後に合計1回まで後退しています。今後のデータ次第で利下げ見通しに変化があるかもしれませんが日米の金利差が大きく縮小することはなさそうです。
※フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標5.25~5.50%の上限値
商務省経済分析局(BEA)が毎月発表する個人消費の物価動向を示す指標です。個人が消費した財やサービスの支出を集計した指数で、物価変動の影響を取り除いたものが「PCEデフレーター」と呼ばれます。FRBが金融政策を決定する際に重視している、価格変動の激しい食品とエネルギーを除いた「PCEコアデフレーター」が特に注目されます。
ドル円相場の歴史~トレンド転換となった過去のイベントを整理する
商務省国勢調査局(USCB)が毎月発表する住宅関連の指標です。実際に建設が開始された住宅件数の年率換算データで、景気関連の先行指標として広く知られています。住宅投資が盛んな米国では、住宅指標にドル相場が敏感に反応することも多く、米国の金利が上昇する局面では注目度が高くなります。
日本銀行の政策委員会が金融政策を決定する会合で、年8回の日程で開催されます。政策委員会は日銀総裁、副総裁2名、審議委員6名の計9名で構成され、多数決で政策を決定します。また、年4回(通常1月、4月、7月、10月)の会合後に経済・物価情勢の展望(展望レポート)が公表されます。会合後には日銀総裁の記者会見が行われ、声明文とともに非常に注目度が高いです。
【為替】2024年の米ドル/円を予想する | 吉田恒の為替デイリー
日本銀行が3ヶ月ごとに発表する景況感と先行き(今後3ヶ月の見通し)景気に関する指標です。全国約1万社の民間企業経営者を対象にアンケート調査を実施し、調査結果を基に製造業・非製造業の業況判断指数(DI)と先行きがそれぞれ算出されます。調査から公表までの期間が比較的短いため、速報性が高く、特に業況判断指数(DI)が注目されます。海外では「TANKAN」の名称で知られています。
ドル円の週間見通し 為替介入の思惑とトランプ氏銃撃の影響 ..
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【通貨】来週の為替相場見通し=円安の流れが終わったかを見極めへ
昨日のドル/円は156円台後半から157円台前半での小動き。米国の株式・債券市場が短縮取引だったほか、多くの市場参加者がクリスマス休暇に入っていることから閑散取引となった。
本日はクリスマスで日本と中国を除いた多くの主要国が休場となる。銀行間市場の取引もアジアタイム以降はほとんど止まることから、外為どっとコムをはじめFX会社のほとんどが夕方以降の取引を休止する。
そうした中で、本日は植田日銀総裁が講演を行う。先週の金融政策決定会合後の会見で植田総裁が追加利上げに慎重な姿勢を示したことで、急速に円安が進行。その後、日本政府高官からは円安けん制発言が相次いだ。先週の会見から大きな変化はないだろうが、早期利上げの可能性に言及するなどハト派色を緩める発言には注意しておきたい。
今週のドル円FXレートのレンジ予想(高値・安値予想)を公開。現在値、今週のレンジ、過去予想勝率も。
店頭外国為替保証金取引、店頭CFD取引および店頭通貨バイナリーオプション取引は元本や利益を保証するものではなく、相場の変動や金利差により損失が生ずる場合がございます。なお、商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、当該商品等の「契約締結前交付書面」および「約款」等をよくお読みいただき、それら内容をご理解のうえ、ご自身の判断でお取り組みください。【注】お客様がお預けになった保証金額以上のお取引額で取引を行うため、保証金以上の損失が出る可能性がございます。
株式会社外為どっとコム 〒105-0021 東京都港区東新橋2-8-1 パラッツォアステック4階 TEL:03-5733-3065 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第262号 商品先物取引業者/一般社団法人金融先物取引業協会、日本証券業協会、日本商品先物取引協会
第35回「ドル円相場の8月アノマリー」 | 知るほどなるほどマーケット
前週末10日のドル円は下落でクローズ。安値157.21をつけてから終値157.75と、2営業日連続で円買いののち週の取引を終えた。
AIがドル円の動きを予想!人工知能を活用したFXおすすめツール紹介
日足チャートを見るとMACDで買いシグナルが点灯、またモメンタムは強気のシグナルが点灯しており、強気地合いへの移行の可能性がある。大口投機筋(IMM通貨先物ポジション)では円が2,311枚の買い持ちとなっており、方向感の見定めにくい状況との指摘も。
26日の外国為替市場のドル円相場は午前8時時点で1ドル=157円25銭前後と、前日午後5時時点に比べ16銭のドル高・円安・・・。
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為替の予想をする際に「金利差」ってどう関係してくるの ? | マネー
昨日のドル/円は157円台前半で小動き。クリスマスで日本と中国を除く多くの主要国が休場だったことで、様子見ムードが強かった。
本日もオセアニアやユーロ圏、英国などは休日となっていることから、取引が本格的に動き出すのはNY市場に入ってからだろう。日米金融当局の金融政策への姿勢を考慮するとドル/円は引き続き底堅い動きとなりそうだ。なおNY市場では米新規失業保険申請件数が発表される。
【NHK】18日の東京外国為替市場は、為替をめぐる日米の要人の発言などを背景にドルを売って円を買う動きが広がり、円相場は一時、およ…
今日のドル円FXのレンジ予想・終値予想ほか、FXトレーダーの皆様の役に立つドル円関連情報をお送りします。
【ライブ】『ドル円・為替相場ボード』 経済ニュース ..
・震災などの天変地異や政変、また大企業の倒産等、市場に大きな影響を与える事象発生時に相場が急変した場合。
ドル円 160円突破!AIは今後のドル円相場をどう予測するのか
日々、海外のニュースやチャートをチェックし、インターバンク市場にて外国為替の取引をしている、トレイダーズ証券 市場部所属の為替ディーラーが、この記事を執筆しました。
記事の執筆のほかにも平日は毎日FXレポートの配信やX(Twitter)でリアルタイムに相場の「今」を呟いています。
さらにみんなのFXの公式YouTubeチャンネルでは FX初心者の方から中上級者の方まで、取引の役に立つ様々な情報を配信しています。
FX/為替予想 (字幕付き動画) 「ドル/円、日銀バズーカ炸裂‼円安進行
また、昨日厚生労働省が発表した昨年11月の「所定内給与」は前年同月比で「2.7%増」と、1992年10月以来の高水準でした。今回の結果は、賃金と物価の好循環が一段と強まっていくとする日銀の見方と整合するもので、今月の決定会合での追加利上げの可能性をやや高めることになります。ただ、市場のコンセンサスは「利上げ見送り」となっています。筆者は0.25%の利上げに組みしていますが、円安が大きく進んでいることで、ここである程度円安阻止への強い姿勢を見せる必要があるのと、足元の日本の長期金利の上昇が利上げを示唆していると考えています。