豪ドル円予想「上値トライの動き。」FXチャート分析 2024/12/20


代表的な資源国通貨である豪ドルの中長期トレンドは、長い間CRB(コモディティ・リサーチ・ビューロ)指数など資源・穀物関連のインデックスと高い相関関係があったが、それが2020年の「コロナ・ショック」、更には世界的なインフレに直面する中で大きく変化した(図表3参照)。


豪ドル/円 今日の見通し「米雇用統計に豪ドルも注目!」2024/12/6

豪ドル相場を見通す上で最も注目したい指標が、RBA金融政策発表です。RBAは現在の金利据え置きによって、インフレ抑制に向けた行動を続けていますが、現時点でインフレ率はRBAが物価目標としている年2%~3%のレンジを依然上回っています。

上述したようにRBAは足元のインフレ動向を背景に引き締めスタンスをとっているため、当面は現行の金利水準の維持が想定されます。とはいえ、経済指標(データ)次第であることに変わりないため、今後も声明等の内容に注目しつつ、指摘されるインフレリスクや経済の不確実性などの要素を見定めていく必要があるでしょう。

豪ドルの上値余地を探る上では、RBAによる金融政策の動向が最大の焦点となりそうです。RBAは2020年11月に政策金利を同国史上最低値となる0.10%に引き下げましたが、2022年5月の会合で利上げに踏み切りました。2023年4月の会合で利上げを見送り、10会合に及んだ連続利上げがストップしたものの、翌5月にはインフレの上振れリスクなどを理由に利上げを再開、予想外の決定でマーケットを驚かせました。
RBAは2024年6月の会合で政策金利を据え置き、4.35%の高水準で維持することを決定しました。声明では「直近のインフレ率は低下ベースが鈍化」と引き締めの可能性に含みを持たせており、その後行われたブロックRBA総裁の記者会見では、利上げの議論があったことも伝えられました。RBAの政策運営は豪ドル/円に対して大きな影響力を持つためその動向は注視しておきたいです。

2024年の予想レンジは、豪ドル/米ドルが0.6~0.7米ドル、そして豪ドル/円は85~100円で想定したい。

資源国通貨とされながら、CRB指数などとの連動性が薄れた豪ドルの動きをある程度説明できそうなのは、上海総合指数など中国株の下落トレンドだった(図表4参照)。豪州は、対中国貿易取引シェアが高いことから、中国経済の影響を受けるとして、豪ドルと中国株の一定の相関関係はかねてから知られてきたことだ。そんな中国株は、中国経済の衰退への懸念が広がる中、2021年から下落トレンドが続くようになったが、これと豪ドルの下落トレンドは、基本的に重なってきたように見える。

以上のように見ると、モノの価値が高まるインフレ局面でも、代表的な資源国通貨とされてきた豪ドルが下落トレンドを続けたのは、上海株の下落が示す中国経済衰退の懸念が強く影響した可能性があるのではないか。

【2024年11月21日】豪ドル/円 辰年最後の買い場探し?(津田隆光)

2023年の豪ドル/米ドルは、基本的に52週MA(移動平均線)を大きく超えられない動きが続いてきた(図表2参照)。このような値動きは、2021年2月0.76米ドルから始まった豪ドル下落トレンドが続いてきた可能性を示している。経験的には、豪ドルが下落から上昇へトレンド転換するためには、この52週MAを大きく、長く上回る必要がある。

本日は豪州や中国にて注目の経済指標の発表は予定されていない。市場の注目は今月17‐18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)と18‐19日に開催される日銀金融政策決定会合に向いている。FOMCでは追加利下げの有無である。本日のNY時間には米11月雇用統計が控えている。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策策定において重要な経済指標だ。東京時間の豪ドル/円は米雇用統計を前に様子見ムードが強く、米雇用統計発表後は米ドルや米株価指数を眺めた動きとなりそうだ。

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また併せて、毎月公表される豪雇用統計も押さえておきたいです。直近は雇用環境も大都市のみならず幅広い地域で改善していることが確認されており、正規雇用を中心に底堅さが伺えるなど賃金上昇に繋がりやすい状況が続いています。対して、コロナショックで一時悪化した失業率は改善を続け、およそ50 年ぶりの低水準で推移しています。雇用者数や失業率のデータはRBAが非常に重視しているデータで、これらの変化に着目することで、今後のRBAの金融政策や豪ドル/円相場を見通すヒントが見えてくるかもしれません。

また、12月はユーロ/米ドルとユーロ/英ポンドで陽線の出現回数が14回と、もあります。


2025年のFX市場の見通しは? ユーロに弱さ 円高急進の可能性も

オーストラリアの輸出・輸入割合は中国がトップであり、経済面において深い結びつきがあります。
以下は、豪ドル円と香港ハンセン指数(HSI)の値動きを比較したチャートです。

最新為替見通し|UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント株式会社

外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り空に雨がぱらつき、豪ドル/米ドル雨。7時に豪ドル/米ドルのRSIでシグナルが点灯。

シドニー外為・債券市場=豪ドル2年ぶり安値近辺、NZドルは小動き

コモディティ価格の上昇による貿易黒字は中国需要に依るところが大きいため、中国国内の経済動向や豪中関係の政治的変化にも気を配る必要があります。

現在の中国経済ですが、その足元は今まさに正念場を迎えているといっても過言ではないでしょう。2020年のコロナショック以降、初期段階では迅速なロックダウン(都市封鎖)やワクチン接種の進展から早期の経済立て直しに期待がかかりました。ただ、金融緩和による投資マネーの流入で不動産価格が高騰し、政府は住宅ローンや不動産開発企業への融資に規制を設けました。これを契機に中国市況は低迷をはじめ、中国恒大集団などが経営危機に陥りました。

足元でも、不動産を巡る不透明感が幅広く経済の足かせとなる展開が続いており、中国当局はその対応に様々な手を講じています。今後のオーストラリア経済の見通しを見極めるうえでも中国の政治・経済動向には目を向けておく必要がありそうです。

【2024年7月30日】重要指標ラッシュ!豪ドル/円には要 ..

12月はいくつかの日で円安の傾向が確認できますが、特に注目したいのは26日と27日です。上の表を見ると、26日は豪ドル/円とニュージーランドドル/円で陽線の出現確率が100%と、過去20年間で取引が行われていた日はすべて陽線が出現していたという、非常に強い「円安」アノマリーがあります。

11時35分現在の為替レート 豪ドル/円:97.95 -0.05

たとえば、豪ドルの金利が10%、日本円の金利が0%とします。
1年間100万円を運用すると、豪ドルは110万円に増えますが、日本円は100万円のままです。
ほとんどの方は、豪ドルで運用をしたいと考えるでしょう。
金利差の拡大が続けば、更に豪ドルへ資金が集まりやすくなります。
日本円を売って豪ドルを買うという行為が増え、その結果、2023年のような豪ドル高円安が発生するのです。

【2024年7月24日】豪ドル/円の見通し 中銀会合がカギを ..

鉄鉱石や原油が上昇すると、豪ドル円も上昇しており相関関係が見られます。
資源の価値が上昇すれば豪ドルにも追い風となるので、コモディティ市場にも注目しておくと良いでしょう。

【見どころ解説!】豪ドル/円 辰年最後の買い場探し?(津田隆光)

かつては高金利通貨の代名詞であった豪ドル。現在でも個人投資家からの人気は健在で、2023年の国内の個人投資家における取引金額割合では3位の人気を誇っています。「みんなのFX」では、豪ドル/円のスプレッドが0.5銭(AM8:00~翌日AM5:00 原則固定(例外あり))と低コストでお取引いただけます。また、オーストラリアの政治経済や、チャートのテクニカルポイントに関するニュース配信も豊富ですので、豪ドル/円のお取引は「みんなのFX」のご利用をぜひご検討ください。
なお、先述の通り、豪ドル/円の値動きやスワップポイントの変動は、鉱物資源の需要に左右される傾向が強いため、世界経済や中国経済の動きに影響されます。また国内景気や、インフレ動向を判断するRBAの政策金利・声明文もしっかりウォッチしながら取引すると良いでしょう。
(2024年5月時点 トレイダーズ証券 市場部)

38915円超え!豪ドル/円も100円トライ!?(津田隆光)

世界的に大きなダメージを与えた新型コロナウイルスの蔓延による経済活動の停滞。そのコロナショックからいち早く立ち直ったオーストラリア経済を底支えしているのが鉄鉱石に代表される鉱物資源、液化天然ガス(以下、LNG)に代表されるエネルギー資源の輸出にあります。
近年は世界的にコモディティ価格が堅調に推移しており、この流れはインフレリスクのヘッジ手段としての需要を背景に続いていくことが想定されます。したがって、オーストラリア経済の成長見通しが堅持されれば、豪ドル/円相場も比較的堅調な推移となりそうです。一方、昨今のウクライナ情勢をはじめとした地政学リスクの高まりを受けて、商品相場のボラティリティは高まっているため、資源価格が変動する局面では豪ドル/円相場への影響には注意したいです。

FX 豪ドル円 予想戦略 AUD/JPY 2024-12-26(木) Day ..

また、27日も陽線の出現確率がユーロ/円で92%、スイスフラン/円で96%とかなり高く、英ポンド/円は78%、豪ドル/円は73%、ニュージーランドドル/円は77%と、主要な通貨ペアの多くで陽線の出現確率が高い「円安」のアノマリーが確認できます。

FX 豪ドル円 予想戦略 AUD/JPY 2024-12-24(火) Day ..

2023年、ユーロ/円などクロス円の多くが2022年までの外貨高値を大きく更新する中で、豪ドル/円は相対的に「上げ渋る」結果となった(図表5参照)。その一因は、すでに見てきたように、対米ドルでも豪ドル安が続いたことだろう。

FX 豪ドル円 予想戦略 AUD/JPY 2024-12-20(金) Day ..

豪ドル/円は値幅が2円を超える大陽線が出ており、実体を98円台に戻しています。96.00-10の強い抵抗を守り切った感があり、一段の上昇に繋がり易くなっていますが、中期トレンドが弱いので引き続き上下動を繰り返しながら上値余地を探る動きが継続すると見られます。目先は押し目買い方針継続です。買いは97.50-60の押し目待ちとします。損切りは97.00で一旦撤退です。売りは引き続き様子見です。上値抵抗は98.50-60,99.00-10,99.60-70に、下値抵抗は97.90-00,97.50-60,97.20-30,96.60-70にあります。続伸した場合でも100~101円台はまだ壁となりそうです。短期トレンドは96円を割り込んで終えない限り、“豪ドルやや強気”の流れを維持します。

FX 豪ドル円 予想戦略 AUD/JPY 2024-12-23(月) Day ..

為替相場は金利差によって大きく影響されるので、豪米国債利回り差も確認しておくと良いでしょう。
以下は、豪ドル円と豪米国債利回り差の値動きを比較したチャートです。

FX 豪ドル円 予想戦略 AUD/JPY 2024-12-19(木) Day ..

RBAはオーストラリアを見舞ったコロナショックに対応し、その経済支援の一端として政策金利を過去最低の0.10%まで引き下げました。その後、RBAが注視していたインフレ率や失業率などが改善に向かっていく中で利上げが進んでいき、一時停止を挟みながら2023年11月会合まで利上げを継続しました。2024年5月時点の政策金利は4.35%となっています。
現在は金利を据え置いていますが、インフレ動向とRBAの金融政策の行方が今後の注目ポイントです。