それではレクサプロは、抗うつ剤の中でどういった効果の位置づけなのでしょうか。
抗うつ薬は何であれ、効果が望める内服量まで増量を行い、その内服量で患者さんが抗うつ効果の実感を得られたならば、充分な期間を内服していただければ『うつの改善』は高率に望めると認識しています。
また、強迫性障害、パニック障害、心身症等にも効果が認められます。継続的に服用して1週から2週間くらいで効果が出てきます。 服用方法
トリンテリックスの効果が乏しくてレクサプロに変更し、抗うつ効果が得られるケースは少なからずある。
8月21日に、レクサプロという新しい抗うつ薬が発売されました。SSRIという部類に分類される抗うつ薬の一種です。海外ではうつ病以外にも、パニック障害や全般性不安障害などの不安障害にも適応を取得しています。これまでの海外での評価は比較的高く、効果が期待できる薬の一つとなりそうです。うつ病の治療は決して薬物療法のみではありませんが、治療薬の選択肢が増えるのは、患者さんにとってメリットだと思います。当院では、9月1日より処方が可能です。
不安や恐怖 ~②人前での過剰な緊張や不安 社交不安障害(あがり症)
高校中退。美容師として10年間働き30歳から営業職。8年前「急に悲しくなる、不眠、食欲不振」などの症状が出現し精神科クリニック受診。その後も職場の対人関係から過呼吸やうつ状態を呈し通院していた。2週間前、上司から「ガツン」と言われ、「糸がきれたように椅子にも座れなくなった」。翌日から寝込んでしまい出勤できなくなる。不安感が強く、頭重感がある。仕事の事を考えると「心がざわざわして苦しくなる」。夫や知人に当院受診を勧められ夫同伴で当院初診に至る。
初診
初診医は本人の話を90分に亘り傾聴した。この1週間は服薬していないと言われる為、前クリニック処方を継続して服薬するようにアドバイスした。また1ヶ月間の休業加療の診断書を作成した。
処方
レクサプロ(10mg)1錠 1日1回夕食後(抗うつ薬)
モサプリド(5mg)1錠 1日1回夕食後(慢性胃炎治療薬)
前回ブログに続きます。 『抗うつ薬 トリンテリックスとレクサプロの比較』
パニック障害についてはで記載しましたが、今回はその他の不安障害の一つとして人前での過度な緊張や不安を症状とする社交不安障害について言及していきます。
抗うつ薬の効果としてこれまでレクサプロにて割と満足していたため、今後トリンテリックスを抗うつ薬のトップバッターとするならば、
レクサプロ20mgに増量して2日経過。 レクサプロ飲み始めた時も感じたように、 頭のぼんやり感がすっきりと晴れてきたように感じます。
例えば人前や重要な試験や会議の前に緊張から少しドキドキしたり汗をかく程度の症状は多くの人が経験しますが、その緊張が過剰で強いドキドキ(動悸)感や発汗を自覚し、それに伴う強い不安感を抱いている場合は疾患ととらえることができるでしょう。
具体的な症状として、人前での緊張が過剰であることから、人からどう見られているのか必要以上に気にしてしまい、「人前で顔が赤くなる」「人前で字を書くときに震える(手の震え)」「人前で過剰に汗をかいてしまう」「声が震える」などの症状で来院される方が多くおられます。また、その症状を人に気づかれてしまうのではないかと考え、強い不安を感じ、「その場で症状が出てしまうのでは」と事前の段階で予期不安を感じる事と、その結果として人前や会議、グループワークや発表のある学校の授業などの場面をさけるという回避行動をとるようになることが典型的な症状と言えます。 一方で症状が進行する中でほかのパニック障害や全般性不安障害、強迫性障害をはじめとする不安障害の合併も多くみられ、加えて社交不安障害とうつ病は相互に関連していることが多く、併発することがよくあります。社交不安障害による社交的な困難や孤立感が、うつ病の発症や症状の悪化につながる可能性があります。
レクサプロの添付文章(薬の説明書)では、QT延長に注意するように記載されています。
レクサプロに関するブログ新着記事です。|レクサプロ1年5ヶ月目(SSRI)|うつ病になりました ..
人前でのスピーチによって必発する動悸や発汗、紅潮などの症状に伴い2001年のTilloforsらの研究ではPET検査にて右の扁桃体の血流が過剰に増加しており1)、SSRIという種類の抗うつ薬による薬物療法や認知行動療法により症状が改善された場合、同じ場面においても扁桃体の血流の異常増加が改善されたという報告があり2)、社交不安障害の病態の一部として扁桃体の活動更新が関与していることが示唆されています。(実際にはこれに加え、行動の監視に関与している前部帯状回や前頭領域の活動亢進、大脳基底核での活動低下が推定されています。3))
また、社交不安障害の方は、他人の顔を見たときに、顔の評価や情報処理の特定のパターンを示すことがあることも知られています。たとえば、他人の顔の評価に関与する側頭前野や後帯状皮質の活動に異常を示すことがあります。
抗うつ薬の体験談【レクサプロ】|ヒロトン|coconalaブログ
【当院初診6ヶ月後(第12~15回SSTの期間)】
レクサプロからトレドミンへの処方変更が行われ、
トレドミン100mgでひどい嘔吐出現。総合病院救急受診となる。
以上のことより、疾患によって効果の発現時期に差はあるかもしれませんが、効果が大幅に違うということは考えにくいです。
社交不安障害には、薬物療法もしくは認知行動療法が症状の改善に有用です。薬物療法としては前述したSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)もしくはSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)が効果的であり、補助的に不安症状を抑えるために抗不安薬などを頓服薬として使用することが多いです。薬物療法と精神療法を組み合わせた治療が外来診療の中で行われることが一般的です。
レクサプロ飲んだら焦燥感が減った。 | ひとり女子会! ~✳︎✴︎
レクサプロを開始すると、2週間ごとを目安に効果を判定していきます。効果が不十分な場合は、をしていきます。
レクサプロは、効果と副作用のバランスのよさに定評のある抗うつ剤です。 レクサプロでよく認められる副作用は、
レクサプロとトリンテリックスの、共通点、異なる点の比較についてはブログ後半に記載したので参照ください。
レクサプロという新しい抗うつ薬が発売されました。SSRI ..
《SSRIやSNRIの種類と効果》
SSRI
1.ジェイゾロフト(セルトラリン): セルトラリンは社交不安障害の治療において一般的に使用されるSSRIです。多くの研究で有効性が示されており、症状の軽減や生活の質の向上に寄与することが報告されています。
2.パキシル(パロキセチン): パキシルも社交不安障害の治療に使用されるSSRIの一つです。セルトラリンと同様に、症状の改善に有効であるとされています。
3.ルボックス(フルオキセチン):社交不安障害の治療における有効性については他のSSRIと比較して研究結果がやや劣る可能性があり一部の研究では有効性が示されていますが、他の研究では有効性についてはより不確かな結果となっています。
4.レクサプロ(エスシタロプラム):レクサプロは社交不安障害の治療において有効性が示されています。多くの研究が行われ、症状の軽減や生活の質の向上に寄与することが報告されています。加えてレクサプロは他の一部のSSRIと比較して、効果が比較的早く現れることが報告されています。一般的に、2〜4週間程度の投与後に症状の改善が見られる場合があります。
そのため、ブログの最後に主な抗うつ薬の副作用をまとめたものを載せてあります。 ..
SNRI
1.イフェクサー(ベンラファキシン): ベンラファキシンはセロトニンとノルエピネフリンの再取り込み阻害作用を持つSNRIです。社交不安障害の治療において有効性が示されており、一部の研究ではSSRIよりも効果的であるとされています。
2.サインバルタ(デュロキセチン): デュロキセチンもセロトニンとノルエピネフリンの再取り込み阻害作用を持つSNRIであり、社交不安障害の治療に使用されることがあります。有効性についての研究結果は限られていますが、一部の研究では効果が示されています。
た。 それにも関わらず、症状は改善していません。ということは、あんまり効いていないのです。
第19回SST
課題:一般会話 相手 N医師
「今週の柔道で、相手に技を掛けて投げる体験をした。言葉では表せないが、頭がスカッとしてとても気持ちが良かった。仕事もいざ辞めると思うと色々考え葛藤している。今まで一所懸命に働いて来たので、もうしばらく休んで何もせずのんびり過ごしていいでしょうか?」など話される。
その様な場合は、相互作用の少ないレクサプロやイフェクサーが内服し易いということになります。 ..
《認知行動療法の概要》
また認知行動療法では本人の思考パターンや信念に焦点を当て、自己否定的な考え方や社交的な状況に対する恐怖や不安を見直す作業が行われ、認知の修正を通じて、現実的で肯定的な考え方や自己評価を促すことが目指されます。ほかにも 社交的な状況に対する不安や恐怖を階層化して整理し、それに徐々に慣れるための計画を立て、最初は少しハードルが低い状況から開始し、徐々にハードルを上げながらな進んでいきます。不安や恐怖に基づく避ける行動を挑戦することで、新しい経験や情報を得ることを目指します。これにより、過度な恐怖反応を修正し、新たな行動パターンを獲得することができます。ほかにも社交的スキルのトレーニングやリラクセーション技法の導入を行うこともあります。特に、Cognitive Bias Modification(認知バイアス修正)と呼ばれるアプローチが注目されており、患者の認知的なバイアスを修正することで社交不安の症状を軽減する可能性が示唆されていますが現在も研究段階にあります。
治療法については現在も様々な研究のなかで進展してきていますが日本の保険診療という限られた
これは選択的セロトニン再取り込み阻害薬SSRIのひとつであり、デンマークで開発されました。 ..
過敏さを少しずつ和らげけて行く効果が期待でき、うつ病や不安障害などに幅広く使われています。
入院症例32 アカシジア出現により、診断・治療に難渋した不安障害
第26回SST (自己変革)
課題:目標 相手 S医師
「前回SSTで人生の目標について話したが、その後具体的な目標について考えてみた。以前は美容師をしていたが、その資格と経験を生かして在宅美容サービスの仕事が出来るのではないかと思いついた。今は新たな人生が開けているような気がする。職場を円満退職する踏ん切りがついた。最初は西川病院に来るのも苦痛で嫌だった。SSTもパチパチと拍手をして、変な新興宗教みたいだと思っていた。今はSSTを含め西川病院では素晴らしい治療をしてやんさるよと色々な人に話している。自分は病気になって生まれ変われて良かった。病気になった事を感謝している」と話される。
10週後リスペリドン液は良く効いた。けど体がだるい。胸の方がおかしいと訴える ..
診療のポイント
強烈な対人的ストレスによる「PTSD的要因があるうつ状態」は、薬物療法と休養だけでは改善は望めない。当院受診初期にリワークプログラム担当医が指摘した如く、1)職場環境が調整できるのか 2)自分が変わって適応していくのか 3)会社を辞めて再スタートするのか、この3者択一であろう。本症例では26回目のSSTで、「会社を辞めて再スタートをする」という結論に至った。SSTを重ねる中で「病気になって良かった」という自己肯定感を伴う「自己変革」が生じた。「自己変革」は、薬物療法や休養では得られない治療効果であり、集団力動が働くSST特有の回復到達点と言えよう。
【この薬の効果は?】 ・この薬は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤 ..
環境要因の一つとして家族環境は社交不安障害の発症に関連している可能性があるとされています。過保護な家庭環境や過度な批判や非難をはじめとする家族内の否定的な対応が、社交不安障害のリスクを増加させるという研究結果があります。また、家族の社交的スキルや社交モデルの欠如も影響を与える可能性があります。ほかにも友人関係や社会的な経験も社交不安障害に影響を与える要因とかんがえられており、過去のいじめや否定的な社会的体験、集団での発言や注目を受ける状況での過去の失敗体験などのネガティブな記憶も社交不安障害のリスクを高めるとされています。加えて社会的なストレスやトラウマとなるような経験は、社交不安障害の発症や症状の重症度と関連している可能性があり、過去のトラウマ、人間関係の問題、学校や職場でのプレッシャーなどが社交不安障害の発症や悪化に寄与すると考えられています。文化的な要因も社交不安障害に影響を与える可能性があり、社交的期待や価値観の違い、社会的な評価や役割のプレッシャー、集団文化の特性などが、社交不安障害のリスクや症状の発現に関与するとされています。これらの環境要因は、社交不安障害の発症や症状の重症度に影響を与える可能性がありますが、一般化することは難しく現在も研究段階の知見ではあります。