トランプ氏勝利で、円安・株高の「トランプ相場」 いつまで続くのか


米大統領選で減税や積極財政を訴えたトランプ氏が返り咲いたことを受け、金融市場はリスクを積極的に取る姿勢が強まり、円安・株高の「トランプ相場」となった。ただ、「米国第一」を唱えるトランプ氏が関税強化などを実行に移せば、世界経済は不透明感が強まり、市場の先行きは読みにくくなる。


円相場 1ドル=154円台 トランプ氏当選確実で円売りドル買い | NHK

市場では投票日の11月5日より前から、金利高、ドル高、株高が同時に起きる「トランプ・トレード」が進行。米経済の堅調さもあり、10月初めに3・7%台だった米国10年債利回りは足元で4・4%台まで上昇。ドル円相場は約1カ月で10円以上、円安・ドル高が進んでいた。

――一度経験しているから予想ができたということですね。トランプ氏は来年1月に大統領に就任しますが、これからの為替相場のメインシナリオをどうお考えですか。

【NHK】7日の東京外国為替市場はアメリカ大統領選挙でトランプ前大統領の当選が確実になったことで、今後アメリカで再びインフレの傾向…

――為替相場に関して、トランプ氏が前回当選した2016年との違いはありますか。

トランプ氏が公約として掲げていたものがどれくらい実行に移されるのかはわかりませんが、トランプ氏がやりたい政策、つまり財政は拡張路線で金融政策は緩和、移民規制、追加関税、減税を全部実行したら普通はインフレになる。インフレになれば当然利下げはできず、アメリカの金利は高く保たれて、日米金利差は拡大したままでドル円相場は高止まりする。

【尾河眞樹氏・トランプ2.0と2025年の為替相場】SFGI ..

そのシナリオを織り込んで、投機的なトレードで円安が進むという状況が足元では続いています。来年もそれが続くと思っている人が基本的には多い。ただ、日本についていえば、2022年、2023年と比較して2024年の東京外為市場における円相場の需給環境として、円を売りたい人はけっこう減ってきています。実需の円売りは過去2年に比べると迫力がない。

投機主導で相場が作られていくと崩れるのも早いですから、円安方向に進むにしても値幅がそうとう出る半年間ないし1年間と思っておいたほうがいいです。

トランプ・ショックで為替相場がドル高・円安に進んだ理由 | 高島修

20%を「上がり過ぎ」の目安とすると、「トランプ・ラリー」は、短期的には記録的な米ドル/円の急騰だったが、必ずしも「上がり過ぎ」ではなかったのに対し、今回はすでに「上がり過ぎ」になる懸念が強い。この観点からすると、今回の方がより「最初で最後の米ドル高・円安」になる可能性がありそうだ。

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トランプ政権下、4年間のドル円相場とバイデン政権ではどうなる?

ドル円レートは、1ドル156円台までドル高が進んだ(図表1)。11月5日の選挙でトランプ氏が次期大統領に決まり、ここにきて上下院ともに共和党が過半数を占めることが確実になったからだ。下院でねじれがあれば、法案修正の圧力がかかるが、トリプルレッドが確実になったので、そうした圧力を受けずにトランプ政策が通りやすくなった。それは間接的に財政赤字要因になるので、米長期金利が上昇した。これはドル高要因だ

153円台まで円高。トランプ氏指名の財務長官の発言が相場に影響

米ドル/円独自の要因からすると、今回は「トランプ・ラリー」以上に「最後の米ドル高・円安」になる可能性が高いのかもしれない。米ドル/円の5年MAかい離率は、「トランプ・ラリー」のピークでも13%程度だったのに対し、今回は20%にも達していた(図表2参照)。

ベッセン氏の発言は、今後のドル円相場に大きな影響を与える可能性がある。 ドル/円月足

長短金利をみてみると、11月の利下げ後のFFレートの誘導目標は、4.5~4.75%である。長期金利は4.4%台まで上がっていて、これはほぼ同水準だ。ここには短期金利の見通しの変化が背景にあるのだろう。今後は、短期金利があまり下がっていかないだろうという予想なのだ。従来の短期金利>長期金利の図式、つまり長短金利の逆転が続いてきた。しかし、それは解消する手前までやってきている(図表2)。FRBは、9月時点で2025年中▲1.00%ポイントの追加利下げを予告しているが、長期金利はその利下げをあまりカウントしていない水準で推移している。これは、潜在的なインフレ圧力を見込んでいるということだ。そして、FRBがどこかで利下げを休止して、いずれ利上げ方向に転じてもおかしくはないことを見込んでいるのだろう。米金利のイールドカーブは、1~3年にかけて4.2~4.3%程度になっている。

円安加速156円 パウエル氏がトランプ相場に拍車 利下げ見通し後退

たかしま・おさむ/1992年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同年、三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入社、1999年から為替資金部で欧州担当、米国担当アナリスト、通貨オプションセールスを経て2004年チーフアナリスト。2010年シティバンク銀行に移籍、チーフFXストラテジストに。2013年よりシティグループ証券に移籍、23年より現職。

米大統領選「ドル円相場」のアノマリーを検証してみた ! | マネー

筆者が少し不思議に思うのは、米株価が大きくは下がらないことだ。株価はこれまでFRBの利下げ予想を織り込んで上がってきた。ならば、トランプ当選で金融緩和期待は剥落しているのに、なぜ株価は大幅に下がらないのか。これも、ドル高と同じく、潜在的なトランプ・トレードの押し上げ圧力が見た目以上に強いことを示唆している。

来週の円相場は下落か、トランプ氏勝利のドル高継続-米CPI注目

今後の円安進行で気になるのは、日本の通貨当局が為替介入に打って出るかという論点だ。2024年4月29日・5月1日には介入を実施している。為替相場が連休前に1ドル153~155円で膠着していたところから、一気に156~157円に円安が進んだところで、頭を押さえるように9.8兆円の為替介入が行われた。このときは随分と投機色が強かった。現在は、シカゴのIMM通貨ポジションは、以前よりも円売り方向になってきたが、4・5月ほどは投機筋の円売りポジションが膨らんでいない。だから、今のところ実勢を反映した円安に見えるが、円安の勢いが強いと介入の可能性は高まっていく。

豪ドル円相場で一時、99円割れ寸前まで豪ドル安が進んだ。トランプ氏の対中関税をめぐる言及が材料視されたが、見通しでは底堅さも示されそうだ。

今回、トランプ氏勝利後の米ドル高・円安が、トランプ政権1期目と同じように、結果として「最初で最後の米ドル高・円安」となるかは、やはり米金利や米国株の動向が鍵になるだろう。

ドル・円は伸び悩みか、トランプ相場継続も円安牽制に警戒 | 通貨

たかしま・おさむ/1992年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同年、三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入社、1999年から為替資金部で欧州担当、米国担当アナリスト、通貨オプションセールスを経て2004年チーフアナリスト。2010年シティバンク銀行に移籍、チーフFXストラテジストに。2013年よりシティグループ証券に移籍、23年より現職。

米大統領選の投開票日を目前に、外国為替市場では円安ドル高が進んだ。両候補とも大型減税などを掲げており、米金利が上昇傾向にあるからだ。

さて、日銀はどうだろうか。衆議院選挙で与党が敗北して、筆者は日銀の年内利下げはないと思った。しかし、ここにきて12月利上げの公算は高まっている。来夏に参議院選挙を控えた石破政権は、物価上昇の再加速を快くは思わないだろう。秋の経済対策の吟味も行われている。日銀は、クリスマス商戦を念頭に置き、「米国経済の見極め」を行うつもりだ。このアナウンスは、2024年12月か、2025年1月のいずれかに利上げをする意向を示すものだ。それに対して、足元の円安進行は12月利上げの可能性を高めるものだろう。近々、財務官や植田総裁から円安への口先介入が行われるだろう。そうした展開になれば、12月利上げは近いというシグナルだと考えられる。

【もしもトランプが再選したら】ドル円相場はどうなる? / NewsPicks

11月5日に投開票された米大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ前大統領が勝利した。「米国第一」を掲げるトランプ氏の復権は、米国経済はもちろんのこと、日本経済や日本企業にも大きな影響を与える。トランプ政権の2期目の幕開けで、経済や株・為替市場はどう動くのか。激変する世界の行方を徹底検証する。

今日のレンジ予測[本日のドル/円]↑上値メドは153.00円↓下値メドは150.55円ドル安:トランプ氏は、ドル安.

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2025 年に始動する第二次トランプ政権(トランプ 2.0)では、減税政策に加え、関

米金利は、2017年12月に米議会で「トランプ減税」が成立すると上昇が再燃し、「トランプ・ラリー」で記録した高値の更新に向かった。しかし、金利上昇を嫌気するように株価は急落となったことから、この金利上昇は「悪い金利上昇」と呼ばれた。その状況で米ドル/円は株価急落に追随するところとなった。これが米ドル/円が「トランプ・ラリー」の高値を超えられなかった2つ目の理由と考えられる。

ドル安 ドル高・円安に/日銀利上げや介入、FRB利下げ ..

トランプ相場でドル高円安が進行している。しかし、長期的にみた円高トレンドへの転換の萌芽(ほうが)が見え始めている。2026年にはドル円は130円を割り込むだろう。その理由をひもといていく。(シティグループ証券通貨ストラテジスト 髙島 修)