7) 成田光生 : マクロライド耐性マイコプラズマの最近の知見


抗生物質を使用します。
よくはじめに使うのは、マクロライド系の薬(エリスロシン クラリスロマイシン)です。ただし、この薬が効かないマイコプラズマもあり、その場合は学童期以降ならテトラサイクリン系の薬(ミノサイクリン)、ニューキノロン系の薬を使用します。


[PDF] 肺炎マイコプラズマ感染症の検査 -マクロライド耐性 ..


病原体は肺炎マイコプラズマ( )であるが、これは自己増殖可能な最小の微生物で、生物学的には細菌に分類される。他の細菌と異なり細胞壁を持たないので、多形態性を示し、ペニシリン、セフェムなどの細胞壁合成阻害の抗菌薬には感受性がない。専用のマイコプラズマ培地上にて増殖可能であるが、日数がかかり(2~4 週間)、操作もやや煩雑で、雑菌増殖による検査不能例も発生する。肺炎マイコプラズマは熱に弱く、界面活性剤によっても失活する。
感染様式は感染患者からの飛沫感染と接触感染によるが、濃厚接触が必要と考えられており、地域での感染拡大の速度は遅い。感染の拡大は通常閉鎖集団などではみられるが、学校などでの短時間での暴露による感染拡大の可能性は高くなく、友人間での濃厚接触によるものが重要とされている。病原体は侵入後、粘膜表面の細胞外で増殖を開始し、上気道、あるいは気管、気管支、細気管支、肺胞などの下気道の粘膜上皮を破壊する。特に気管支、細気管支の繊毛上皮の破壊が顕著で、粘膜の剥離、潰瘍を形成する。気道粘液への病原体の排出は初発症状発現前2~8日でみられるとされ、臨床症状発現時にピークとなり、高いレベルが約1 週間続いたあと、4~6週間以上排出が続く。
感染により特異抗体が産生されるが、生涯続くものではなく徐々に減衰していくが、その期間は様々であり、再感染もよく見られる。

マイコプラズマ肺炎は、自然にも治りますが、抗菌薬で症状を軽くすることができます。そのため子どもでは、テトラサイクリン系抗菌薬、ニューキノロン系抗菌薬の効果があると考えられます。
しかし、テトラサイクリン系抗菌薬は、8歳以下の子どもに、2週間以上長く使用すると歯が黄色くなったり、骨の発達に影響を受けると言われています。短期間で適切に使用するのであれば、副作用はかなり少なくなります。
ニューキノロン系抗菌薬も、関節への影響から子どもにあまり使用されませんが、最近、子どもに安全なニューキノロン系抗菌薬があります。

マイコプラズマ肺炎の症状や検査、感染力について【大人の症状も】

4日以上の発熱とひどい咳が続く場合は、マイコプラズマかもしれませんので、かかりつけの医師に相談しましょう。

マイコプラズマを含んだ唾液が飛び散って吸入して移ることを避けたいので、人ごみによらない、マスクをつけるなどの予防をしましょう。

○マクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン、アジスロマイシン、エリスロマイシンなど) ..

マクロライド系抗菌薬のもう一つの弱点は、細菌の増殖を抑える効果はあるものの、細菌を死滅させることはできないということです。こういったところにも、マイコプラズマ感染が流行しやすい理由があります。

マイコプラズマには、コロナやインフルエンザの抗原検査のような簡便で安価に診断できる検査法がありません。痰やのどを綿棒でこすって、PCR検査でマイコプラズマの遺伝子を検出すれば、確定診断ができます。しかし、また、熱と咳がある子ども全員にPCR検査することは、医療経済を考えても不適切です。血液検査で、マイコプラズマに対するIgM抗体(感染早期に作られる抗体)、IgG抗体(回復後に作られる抗体)の抗体価を調べる方法もあります。IgM抗体は、発症から1週間しないと検出できないうえに、最長で1年くらいは検出され続けることもあり、診断精度は高くありません。IgG抗体は有用な検査ですが、発症早期と、回復後に合計2回血液検査をして、4倍以上増えていることを確認する必要があり、肺炎でつらいときにタイムリーに診断するのには不向きです。

また、近年、マクロライド耐性マイコプラズマによる感染症も多く報告されている。通常のマイコプラ

地域で肺炎が流行しているタイミングで、子どもや若者に、1週間弱くらい熱が続き、徐々に悪化する咳があれば、マイコプラズマ感染かもしれない、と考えます。一方、鼻水や下痢はマイコプラズマ感染には認めにくい症状であり、その場合はウイルス性の呼吸器感染症の可能性が高くなります。これを踏まえた上で、レントゲンをとって肺炎像がみられれば、マイコプラズマ肺炎と考えて治療を行うことになります。

玉谷キッズクリニックの菅原です。最近、マイコプラズマ肺炎が流行していますが、治療の中心となるのが抗生剤です。しかし、マイコプラズマに対応した最もスタンダードな抗生剤であるクラリスロマイシンの系統にはあるデメリットがあります・・・。それは、とっても苦いことです


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血液検査では、白血球数や好中球数が正常か若干上昇している程度です。CRP(C反応性蛋白)値も、通常は正常または軽度に上昇しています。
一般的な炎症反応と考えられ、マイコプラズマ肺炎に特異的な所見ではありません。

内 科 マイコプラズマ感染症とは 取材協力/前川内科クリニック | 大和

この菌自体は自然治癒することが多いといわれていますが、咳が非常に長く続き(1ヶ月以上のことも)、また重症の肺炎や様々な合併症を起こすことも多いのです。よってこの菌を考えた適切な抗生剤投与が必要です。抗生剤はマクロライドやテトラサイクリンと呼ばれている系列のものを使います。ただこれらの薬には問題があります。まずマクロライドですが、基本的にとても苦い薬です。当院ではクラリス、ミオカマイシンの2剤がありますが、特にクラリスは苦いです。しかし効果はクラリスの方がよいですので、薬を飲めそうな子はクラリスを第一選択にしています。5歳以上の子供は小さい錠剤がありますのでこちらにしてみるとよいでしょう。クラリスの粉は苦い味を苺味でコーティングしていますので、これを溶かさないように工夫が必要です。ジュース、スポーツドリンク、ヨーグルトなどで飲ますのは避け、水、牛乳、バニラアイスで飲ませるとよいでしょう。またムコダインという痰をきる薬と混ぜると苦くなります。それでもダメな場合はミオカマイシンを使います。もう一つのテトラサイクリンは当院ではミノマイシンを使っていますが、乳幼児の歯や骨の発育を阻害する副作用があるため6歳以下には重症例を除き使いません(8歳以上から)。そして最も大事なことは最低10日間は内服する必要があります。通常3日?1週間で発熱や咳嗽は改善しますが、このマクロライドやテトラサイクリンは菌を殺すより、押さえ込んでそのうち死ぬという薬なので、中途でやめるとまた菌が復活し、ぶり返すことになります。

[PDF] 小児肺炎マイコプラズマ肺炎の診断と治療に関する考え方

CT検査を行うと、間質性陰影や小葉中心性の陰影が確認できることもありますが、画像所見だけではマイコプラズマ肺炎の確定診断は難しく、ほかの臨床症状や検査結果と総合的に判断する必要があります。

[PDF] 「マイコプラズマ肺炎」来襲でも落ち着いて。小児科専門家の助言1

2024)。一方で、EU/EEA域内の多くの国ではマイコプラズマ肺炎の届け出義務がないことから、情報は限られているとしている(ECDC, 2023)。
米国では全国規模のサーベイランス体制は取られていないものの、COVID-19流行以前は3~7年ごとに流行がみられていた。COVID-19の流行以降、米国内での発生は減少したものの、2024年には小児でのマイコプラズマ肺炎が増加していると報告されている(CDC, 2024)。
また、中国においては、2023年5月以降、小児における肺炎が増加しており、この原因としてマイコプラズマ肺炎が多くを占めていることが報じられた(参考:)。11月に行われた国家衛生健康委員会の記者会見では、呼吸器感染症が全国的に増加しており、その中でも特にマイコプラズマ肺炎が小児において重要な疾患であるものの、小児の呼吸器感染症の原因としてはインフルエンザをはじめとしたウイルス感染症が最も一般的であるとしている(国家衛生健康委員会, 2023)。

マイコプラズマ肺炎に対する第1選択はマクロライド系抗菌薬で、アジスロマイシン、エリスロマイ

2024)。現時点で有効なワクチンはない。感染経路は主に飛沫感染と接触感染であり、濃厚接触の機会が多い学校内や家族内で集団発生が起こることがある。菌の排出は症状出現前2~8日に始まり、臨床症状発現時にピークとなり、4~6週間以上排出が続くとされる。潜伏期間は通常2~3週間であり、肺炎マイコプラズマの増殖速度が遅い(Fumess G.

[PDF] マイコプラズマ肺炎流行に対する日本小児科学会からの注意喚起


マイコプラズマ肺炎は進行がゆっくりで、症状が比較的軽いことが特徴です。

マイコプラズマ肺炎は“肺炎マイコプラズマ”という細菌による感染症で、3 ..

迅速検査は、マイコプラズマ抗原迅速検査キットを用いて、咽頭ぬぐい液から15分程度で抗原を検出することができます。

※1 マクロライド系抗菌薬:クラリスロマイシン、アジスロマイシンなど。

これは細菌とウイルスの中間のものといわれ、細菌は細胞壁をもっていますが、マイコプラズマにはありません。これがこの菌の最大の特徴です。一般的に使われている抗生剤はペニシリンやセフェムといわれているもので、これは細菌の細胞壁を壊します。人間には細胞壁が存在しないので細菌のみを殺します。しかし、マイコプラズマは細胞壁を持たないので、これらの抗生剤は無効です。

その治療に関しては耐性菌を作らぬよう,成人におけるキノロンの使用は極力控えら

【文 献】
1)Cherry JD. Mycoplasma and Ureaplasma infection. In Textbook of pediatric infectious diseases, 4th ed. WB Saunders,1998. pp2259‐2286
2)Anonymous. マイコプラズマ肺炎. 病原微生物検出情報月報19巻2号、1998.

れることが切に望まれる. 〔日内会誌 102:2823〜2830,2013〕


マイコプラズマ肺炎の治療は、病状に合わせて行う必要があります。適切な抗菌薬の選択と症状の軽減を目指す対症療法が中心です。症状に合わせた治療を行いながら、十分な休息を心がけましょう。

[PDF] マイコプラズマ肺炎増加に関する学会からの提言について(周知)

マイコプラズマ肺炎は比較的軽度の肺炎で、主に子供や若年層に発症することが多い疾患ですが、大人にも見られます。

本マイコプラズマ学会:「マイコプラズマ感染症(マイコプラズマ肺炎)急増 ..

2022)。2023年の流行においても、北京、河南省の病院を受診した小児のマイコプラズマ肺炎において、マクロライド耐性がそれぞれ100%、91%であったと報告されている (Chen Y.